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読書レビュー 謎の独立国家ソマリランド

こんばんは。

早速ですが皆さんは「ソマリア」と聞いて何を思い浮かべますか?

危ない、常に内戦状態、アフリカの中でも危険、海賊・・・などなど

そういったマイナスイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

(海賊はかっこいいと思う人はいるかもしれませんが・・・)

確かにそのイメージはあっていると思います。

外務省のHPによるとソマリアは危険レベル4で最も危険な国地域に値して、退避勧告が出されているという状態です。(海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報 (mofa.go.jp)

 

ですが、みなさんソマリアの中でも奇跡的に平和がもたらされ、民主主義も発達している未承認国家があることをご存じでしょうか?

夜1人で警備なしで出歩け、選挙も国際的におおむね公平という評価を受けるほどにです。

そんな奇跡的に平和を謳歌する国が、本書、高野秀行さんが書いた「謎の独立国家ソマリランド」なのです・・・!!!

Amazon.co.jp: 謎の独立国家ソマリランド eBook : 高野秀行: Kindleストア

 

(以下若干ネタバレしてしまうかもしれません)

 

私がなぜこの本を読んでみたかというと、ユーチューブでソマリアについての動画を見た際に、この「謎の独立国家ソマリランド」について書かれたコメントを目にして、

「なんて面白そうなんだ!!!!!」と一目ぼれしたのがきっかけです。

 

私の少年心には「謎」「独立国家」「ソマリランド」の3つの単語があれば響くには十分でした。

我々から遠く離れたアフリカ東部の国に誰にも知られていない国があるのか!しかも紛争が多いアフリカで平和を維持しているだと?!

私はいてもたってもいられず速攻本を購入、そして速攻読み終え、つい最近2週目を果たしました。

 

本を読んでみると私がソマリアに対して持っていたイメージをぶち壊されていくのが快感でした。

内容を少し紹介すると、ソマリアは著者が渡航当時3つの国に分かれていて、我々のイメージする内戦が絶えない南部ソマリア、東部にある海賊国家プントランド、そして北部の謎の独立国家・ソマリランド

(現在は他にも国があるようですが)

ソマリランドは2回の内戦を経て平和になりますが、そこに至るまでどのような経緯があったのか?そして他の2国との違いについて書かれています。

 

私が面白いと思ったポイントは、2つあります。

(1)著者のソマリランド愛が強い

ソマリ人に何回か嫌な目にあいつつも、この本での出来事の後も含めて通算4回以上ソマリア渡航しており、ソマリ後も習得していきます。

そして、ソマリ人について調べるうちに、ソマリについて現地人と口論になりますが、なんと論破してしまい、握手を交わすほどです。

 

(2)なぜ平和を成し遂げたか?について詳しく書かれている点

ソマリランドも南部ソマリアも同じソマリ人の国ですが、なぜソマリランドだけ平和になったのか?についてソマリ人特有の氏族について言及しながら、歴史を紐解いて解説しており、とても分かりやすかったです。

 

この本はソマリアについて著者が直接現地で取材したということもあり、詳しく書かれていて、とても面白かったです。

好奇心旺盛な人や、自分の常識が覆されるような体験をしてみたい方にぜひおすすめです!!!