Letturaろぐ

ゆる~く読書

韓非子~安定した政治・組織運営を行うには~

今回紹介する本は「韓非子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」です。

角川ソフィア文庫

 

 

韓非子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典) | 西川 靖二 |本 | 通販 | Amazon

 

(1)なぜこの本?

今回なぜこの本を読んだかというと、私自身中国の歴史が好きで、なかでも春秋戦国時代というのは興味をひかれる時代です。

そこで活躍した孔子荀子などに代表される諸子百家といわれるという人々が実際にどのような考え方を持っているのかについて興味を持ったからです。

 

(2)ひとことでまとめるなら

安定した政治を行うには法と術が君主によって絶対的に施行される必要がある

ということだと思います。

 

(3)どのような本

先に書いた諸子百家における、「法家」を代表する韓非子の書いたものを一部抜粋して、簡単にどのようなことを主張していたのかを紹介する本です。

韓非子という人物は、戦国時代の末期で、あの始皇帝に会いたいといわれるほどの人物でした。実際に韓非子は秦に赴き、2人は会談することになるのですが、最終的には韓非子の存在に脅威を感じた李斯という人物により謀殺されてしまいます。

そのような非業の最期を遂げた韓非子ですが、彼の書いた書は現代まで残っているほどの重要な考えでした。

この本では彼の考えを簡単に紹介するのですが、それは君主に意見を述べることの難しさや、安定した政治を行うにはどのようにすればよいのか、について述べられています。

 

(4)感じたこと

韓非子が言うには安定した政治を行うには君主により独占的に法律の施行や臣下を統制することが必要だとのことでしたが、当時の下克上が起こりやすい状況においては、大切なことだと思います。しかし、民主主義の発達とともに、1人に権力の集中させることは防ぐ必要があると思いました。ただ、安定した組織運営を行う上で、頂点に立つ人の権力は1番強くあるべきです。

・説得の難しさを説明していましたが、確かにどれだけ正論を述べてもかえって相手の気を悪くするだけの結果になることは多々あります。より重要なのは、相手の真意を理解することであり、そのためには相手を理解するように努めることだと思いました。

 

(5)どんなひとにおすすめか

・昔の中国で活躍した人物の考えを知りたい人

・組織運営をうまくしたいと考えている人

 

以上、長々となってしまいましたが、韓非子の考えを知るには、良い入門書だと思いますので、ぜひ手に取って読んでみてください!